美容・健康

引っ越しで美容院難民に…現役美容師の転勤族妻がやっている「失敗しない美容室の探し方」

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引っ越しの荷ほどきがようやく終わったころ、ふと鏡を見て気づくんです。「……そろそろ髪、切らなきゃ」。

そして手が止まる。この街に、私の行きつけはまだない。

スマホで検索すると、美容室は山ほど出てくる。でも多すぎて選べない。前の街でやっと見つけた美容師さんのことを思い出して、ちょっと切なくなる——転勤族なら、この「美容院難民」の気持ち、わかっていただけると思います。

申し遅れました。私は転勤族の妻で、そして美容師歴20年以上の現役美容師です。つまり、美容室を「探す側」と「探される側」の両方を知っています。

この記事では、私が引っ越しのたびに実際にやっている美容室の探し方を、業界側の事情も正直に交えてお話しします。

目次

結論:私の探し方は、この3ステップです

現役美容師の私が、新しい街でやっていること

ステップ1:ホットペッパーで「個人店・少人数のサロン」に絞って探す

ステップ2:予約する前に、お店の前を実際に通って雰囲気を見る

ステップ3:1軒目で決めようとしない。数店舗行って比べる前提でいる

たったこれだけ?と思われるかもしれません。でも、この3つにはそれぞれ理由があります。とくにステップ1の「個人店・少人数」には、美容師だからこそ知っている業界側の事情が絡んでいます。順番に説明しますね。

「知人に紹介してもらう」は、転勤族には使えません

美容室の探し方を検索すると、必ず出てくるアドバイスがあります。「知人に紹介してもらうのが一番」。

……その知人が、転勤族の新しい街にはいないんですよ。

引っ越してきたばかりの街に、髪型を褒め合える友達はいません。
それができたら苦労しないんです。

世の中の美容室選びの記事は、ずっと同じ街に住んでいる人向けに書かれています。転勤族は、紹介してくれる友達もいない・土地勘もない・でも髪は伸びるという条件で戦わないといけない。だから、自力で見極める方法が必要なんです。

美容師の私が、大型サロンを選ばない理由

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。

私は新しい街で美容室を探すとき、スタッフがひとり、もしくは少人数でやっている個人店を選びます。大型の有名サロンは、まず選びません。

新規のお客さんは、経験の浅いスタイリストに当たりやすい

大型サロンには、ベテランから経験の浅い若手まで、たくさんのスタイリストがいます。ここで考えてみてください。ベテランの予約枠は、長年の指名客ですでに埋まっています。

では、指名なしで入ってきた新規のお客さんは、誰が担当することになるでしょうか。

……そういうことです。ふらっと入った新規客ほど、経験の浅いスタイリストに割り振られやすい。これは意地悪ではなく、お店の仕組みとして自然にそうなるんです。新人も経験を積まないと育ちませんから、お店側からすれば当然の采配です。

でも、引っ越してきたばかりで「この街での最初の1回」に賭けているお客さんからしたら、たまったものではないですよね。

美容師として言うのは心苦しいのですが、これが業界の現実です。
新規で行くなら、この仕組みは知っておいてほしい。

もちろん、大型サロンがぜんぶダメという話ではありません

誤解しないでいただきたいのですが、大型サロンにも素晴らしい美容師さんはたくさんいます。若手でも上手な人はいます。ただ、「誰に当たるかわからない」という運の要素が、大型店ほど大きくなるということです。

どうしても大型サロンに行きたい場合は、スタイリストのプロフィールを見て、経験年数の長い人を最初から指名することをおすすめします。指名料がかかっても、その価値はあります。

個人店・少人数サロンをすすめる理由

逆に、ひとり、もしくは少人数でやっているお店はどうか。

大型サロン個人店・少人数店
担当者誰に当たるか運次第店主が切ってくれる
経験ベテランから新人まで幅広い独立できるだけの経験がある
2回目以降担当が辞める・変わることもずっと同じ人

ポイントは、自分のお店を持っている時点で、その人は下積みを終えた美容師だということです。美容師は、アシスタント時代を経て、スタイリストになって、お客さんがついて、それからやっと独立できる仕事です。個人店の店主は、その道のりを歩き切った人。技術がしっかりしている可能性が高いんです。

しかも個人店なら、「誰に当たるか」の運要素がありません。ホットペッパーで見たあの人が、確実に自分の髪を切ってくれる。転勤族の「最初の1回」の失敗リスクを、いちばん小さくできる選び方だと思っています。

ホットペッパーでの絞り込み方

探すのは、みなさんと同じホットペッパービューティーです。特別な道具はいりません。見る場所がちょっと違うだけ。

  • エリアで検索したら、まず「スタッフ」のページを見る——お店の規模はここでわかります。スタッフが1〜3人程度なら少人数店です
  • スタイリストの経歴・経験年数を見る——プロフィールに美容師歴が書いてあることが多いです
  • お店の写真より、スタッフの人柄が見える情報を——結局、髪を任せるのは「お店」ではなく「人」です

大型店の広告は華やかで目を引きます。でも広告の大きさと技術は関係ありません。地味に見えても、少人数でずっと続いているお店——そこに、腕のいい美容師さんがいることが多いんです。

予約の前に、お店の前を通ってみてください

ネットで候補を見つけたら、私は予約する前に、実際にお店の前を通って見に行きます

散歩のついでで十分です。外から見るだけで、写真ではわからないことがたくさんわかります。お店の清潔感、中の雰囲気、働いている人の様子。「なんか感じがいいな」と思えるかどうか。

これは理屈ではなくて、直感でいいんです。毎日お店に立っている側から言うと、お店の空気は外まで漏れています。入り口の掃除がされているか、スタッフがどんな表情で働いているか。あなたがそこに座る自分を想像できるかどうか、見てみてください。

引っ越したばかりの街を散歩がてら、候補のお店を2〜3軒「下見」する。
これ、転勤族の新しい街の楽しみ方としても、けっこうおすすめです。

1軒目で「当たり」を引けなくても、落ち込まなくていい

ここまでやっても、正直に言います。1軒目で運命のお店に出会えないことは、普通にあります

なぜなら、美容室は最後は相性だからです。技術に問題がなくても、会話のテンポが合わない、仕上げの好みが微妙にずれる、お店の空気がなんとなく落ち着かない——そういうことは、行ってみないとわかりません。

だから私は、新しい街では最初から「数店舗行って比べる」前提でいます。1軒目は様子見。よければ通うし、ピンとこなければ次へ。カットだけお願いして相性を見て、よさそうならカラーやパーマもお願いする、という順番でもいい。

「1回行ったら、そのお店に通い続けなきゃいけない」なんてルールはありません。お店を比べるのは、失礼なことではなく、賢いことです。美容師の側から、はっきりそう言っておきます。

【余談】いい美容師さんは、新しい街の「最強の情報源」です

ここまで美容室の探し方の話をしてきましたが、最後に、美容師だからこそお伝えしたい余談をひとつ。

転勤族が新しい街で困るのは、髪のことだけではないですよね。歯医者はどこがいい? 病院は? スーパーはどこが安い?——土地勘はゼロ、聞ける知り合いもいない。ぜんぶ手探りです。

実は、その質問にまとめて答えられる職業があります。美容師です。

美容師は、一日中その土地のお客さまとお話ししています。会話の中には、ネットには載っていない地域の生の情報が詰まっています。どの歯医者さんが丁寧か、どの病院が評判か、どのスーパーが安いか、あの道は夕方混む——その街に長く住む人たちの「本音の口コミ」が、毎日集まってくる場所なんです。

私自身、お客さまに「どこかいいお店ありますか?」と聞かれたら、喜んでお答えしています。美容師は、ちょっとした街の案内所みたいなものです。

「引っ越してきたばかりで、何もわからなくて」と言ってみてください。
美容師は聞かれたら、むしろ嬉しいんです。話すのが仕事ですから。

だから、いい美容師さんに出会えたら、髪のことだけでなく街のことも遠慮なく聞いてください。歯科も病院もスーパーも、暮らしのローカル情報も。数か月かけて手探りで見つけるはずだったものが、椅子に座っている1時間で手に入ることがあります。

転勤族にとって美容室は、髪を整える場所であると同時に、新しい街への入口にもなる。だからこそ、最初の美容室選びには、ちょっとだけ本気を出す価値があるんです。

よくある質問

Q. 前の街の美容師さんに、引っ越すことを言いづらいです

言ってあげてください。美容師は転勤や引っ越しでお客さまとお別れすることに慣れていますし、「引っ越すので最後に来ました」と言ってもらえるのは、寂しいけれどうれしいものです。最後に、今の髪型の情報(カラーの明るさやパーマのかけ方など)を聞いておくと、次のお店で伝えやすくなりますよ。

Q. 新しいお店で、初回は何をお願いするのがいいですか?

まずはカットだけがおすすめです。理由は2つ。カットはその美容師さんの技術と相性がいちばんよくわかるメニューだからと、万が一合わなくても修正がききやすいからです。カラーやパーマのような大きな施術は、信頼できると思えてからで遅くありません。

Q. お店を転々とするのって、お店側から見て感じが悪くないですか?

まったく気にしなくて大丈夫です。お店側は、初めてのお客さまが次も来てくださるかどうかは「ご縁」だと思っています。むしろ転勤族の方が「引っ越してきたばかりで、お店を探しているんです」と言ってくださると、こちらも力が入ります。正直に言っていただくのがいちばんです。

まとめ:美容院難民は、探し方で卒業できます

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 「知人の紹介」は転勤族には使えない。自力で見極める方法を持つ
  • 大型サロンは、新規客ほど経験の浅いスタイリストに当たりやすい仕組みがある。行くなら経験年数を見て指名を
  • おすすめは個人店・少人数のお店。独立している時点で、下積みを終えた実力者
  • 予約の前にお店の前を通って、空気を確かめる
  • 1軒目で決めなくていい。数店舗比べるのは、失礼ではなく賢い
  • いい美容師さんは、歯科・病院・スーパーまで知っている新しい街の最強の情報源

髪が決まらないと、新しい街での生活も、なんとなく気分が上がらないものです。逆に「この街にも、私の美容室がある」と思えた日から、その街はちょっと自分の街になります。

美容院難民の期間は、探し方しだいで短くできます。
あなたの新しい街に、いい出会いがありますように。

引っ越し前後のやることは、こちらの記事にまとめています。美容室探しと同じで、順番がわかっていれば怖くありません。

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