転勤族というと、「社宅があるんでしょ?」「引っ越し代は会社が全部出してくれるんでしょ?」と言われることがよくあります。
半分は当たっていて、半分は違います。出るものと出ないものが、はっきり分かれているからです。
この記事では、10回以上引っ越してきた我が家が実際にいくら自腹を切ってきたのかを、金額を出して書きます。あわせて、ここ2〜3年で会社の手当が大きく変わったという話もします。

目次
結論:昔は1回あたり20万円ほど自腹。今はほぼゼロになりました
先に答えを書きます。
- 2〜3年前まで:手当はほとんど無し。1回の引っ越しで20万円前後の自腹
- 今:転勤手当が出るようになり、自腹はほぼゼロ(※手当からは税金が引かれます)
同じ会社の、同じ夫婦です。それでも数年でここまで変わりました。
「転勤族はお金がかからない」も「転勤族は自腹ばかり」も、どちらも正しくありません。会社によって違いますし、同じ会社でも時期によって変わります。この記事の金額も、あくまで我が家の一例として読んでください。
【我が家の場合】会社が出すもの・出さないもの
まず、うちの会社がどこまで出してくれるのかを一覧にします。
| 項目 | 会社が出してくれる? |
|---|---|
| 引っ越し業者の代金 | ◯ 全額。ただし梱包は自分たちで |
| 車の運搬費 | ✕ 出ません |
| 物件探しの交通費・宿泊費 | △ 今は転勤手当でまかなえます |
| 引っ越し前日の宿泊費 | △ 同じく手当から |
| カーテン・照明などの購入費 | △ 同じく手当から |
| 住宅補助 | ◯ 今は月4万円 |
| 転勤手当 | ◯ 2〜3年前から。ただし税金が引かれるので満額はもらえません |
引っ越し代は全額出ます。ただし「自分たちで梱包」が条件です
いちばん金額の大きい引っ越し業者代は、全額出ます。これは本当にありがたいところです。
ただし荷造りは自分たちでやるという前提です。おまかせプランのように箱詰めまで頼むと、その差額は自腹になります。
10回以上引っ越して、荷造りだけはずいぶん早くなりました。
知人の会社は、全部出ていました
知人のご主人の会社は、「移動の途中で事故にあったら会社としても大変だから」という理由で、移動は公共交通機関が必須。前日入りの宿泊費もすべて会社持ちでした。
ただ本人いわく、「子どもの荷物が多いから、新幹線での移動は大変だった」とのこと。手厚ければ手厚いで、別の大変さはあるようです。
2〜3年前から、会社が転勤手当を出すようになりました
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
数年前まで、うちの会社に転勤手当はありませんでした。引っ越し代は出るけれど、それ以外は全部自分たちで。その状態が長く続いていました。
それが2〜3年前から、まとまった手当が出るようになりました。
理由をはっきり聞いたわけではありませんが、転勤を嫌がる人が増えたからではないかと思っています。昔のように「辞令が出たら黙って行く」という時代ではなくなってきて、会社側も条件を良くしないと人が動いてくれなくなったのだと思います。
金額は「本人50万円+扶養1人につき10万円」
我が家に出る転勤手当
- 本人:50万円
- 扶養家族:1人につき10万円
- 我が家は夫婦ふたりなので、合計60万円
- ※ただし、ここから税金が引かれます。満額はもらえません
お子さんがいる家庭なら、人数分さらに増えます。
この手当で、物件探しの交通費・宿泊費、引っ越し前日の宿泊費、新しい部屋で買い足すものが、だいたいまかなえるようになりました。
ただし、満額が手元に残るわけではありません
ここは知っておいてください
60万円がそのまま入ってくるわけではありません。税金が引かれるので、実際に使える金額はもっと少なくなります。
※かかった実費を精算する形なのか、金額の決まった手当として支給されるのかで、扱いが変わるようです。自分の会社がどちらなのかは、総務や人事に確認してください。
「60万円出ます」と聞くと、かなり余裕があるように感じます。でも実際は手取りで考えないと、引っ越しの予算を組み間違えます。ここは正直に書いておきます。
それ以前は、本当に何も出ませんでした
今の話だけ読むと恵まれて見えますが、それまでは毎回20万円前後を自腹で払っていました。数年おきに20万円です。決して小さい金額ではありませんでした。
だから、これから転勤がある方には「今の制度がどうなっているか、必ず自分で確認してほしい」と思います。数年前の先輩の話が、今も同じとは限りません。
見落とされがちな「立て替え」の話
手当が出るようになっても、ひとつ変わらないことがあります。
うちは、ほとんどが立て替えです。
つまり、いったん自分たちのお金で払って、あとから会社に精算してもらう形です。
これが地味に効きます。手当が出るとしても、払うタイミングでは手元に現金が必要だからです。物件の初期費用、移動費、宿泊費、買い足すもの。全部あわせると、精算されるまでの間、それなりの金額を立て替えることになります。

転勤が決まったら、手当の有無だけでなく「いつ払われるのか」も確認しておくと安心です。会社によっては、先にお金を出してくれるところもあるようです。
①車の移動費|我が家は毎回、自分たちで運転しています
うちは車の運搬費が出ません。なので、毎回どうするかを考えることになります。
結論から言うと、我が家はこれまで毎回、自分たちで運転して行きました。幸い、運転していける距離の転勤ばかりだったからです。
陸送を頼むといくらかかるのか
自分で運転できない距離だと、専門の業者に運んでもらうことになります。一般に言われている相場は、専門業者で4〜7万円ほど。引っ越し業者にまとめて頼むと、さらに1万円ほど高くなると言われています。距離が長い場合は、東京から北海道で6〜7万円、東京から沖縄で8〜14万円あたりが目安です。
引っ越し業者に頼めば荷物と一緒に手配できるので手間はかかりません。そのぶん割高になる、という関係です。
自分で運転するかどうかの分かれ目
- 自分で運転する:ガソリン代と高速代だけで済む。でも一日がかりで、とにかく疲れる
- 業者に頼む:楽で確実。でも数万円かかる
我が家は「その日のうちに着ける距離かどうか」で決めています。無理をして長距離を運転すると、引っ越し当日に疲れが残ります。荷ほどきは翌日から始まるので、そこで体力を使い切るのはおすすめしません。
車そのものを持っていくか手放すかで迷っている場合は、こちらにまとめています。
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②物件探しの交通費と宿泊費
転勤が決まると、まず物件を探しに行きます。ここでかかるのが往復の交通費と、現地での宿泊費です。
今は手当でまかなえますが、以前はここも自腹でした。遠方だと、それだけで数万円が飛びます。
オンライン内見という手もありますが
不動産屋さんによると、ここ数年でオンラインで済ませる方がかなり増えたそうです。行かなければ交通費も宿泊費もゼロなので、いちばん確実な節約になります。
ただ我が家は、現地を見に行くのだけはやめられませんでした。写真では分からないことが多すぎるからです。
- 駅からの道が、実際に歩くとどれくらいか
- 近くにスーパーがあるか
- 日当たりと、隣の建物との距離
- 夜の雰囲気(明るいか、人通りがあるか)
そのかわり、行くと決めたら旅行だと思って楽しむことにしています。次に住む土地を先に見に行ける機会だと考えると、気持ちがずいぶん軽くなります。
③引っ越し前日の宿泊費
意外と忘れられがちなのが、これです。
荷物を全部トラックに積んでしまうと、その日の夜、寝る場所がありません。布団も運び出したあとなので、実家が近くない限りはホテルに泊まることになります。
ここも以前は自腹でした。「引っ越し代は出るのに、その前の晩の宿代は出ない」というのは、経験するまで気づきませんでした。
④新しい部屋で買い足すもの|実際にかかった金額
ここが、転勤族にしか分からない出費です。部屋が変わると、前の家で使っていたものが使えなくなることがあります。
我が家が実際に買い足してきたものと、だいたいの金額です。
| 買い足したもの | だいたいの金額 |
|---|---|
| カーテン | 1万円ほど |
| ガスコンロ | 3万円近く |
| 照明器具 | 1万円ほど |
| 収納グッズ | 1万円以内 |
| 合計 | 6万円前後 |
毎回この全部がかかるわけではありません。物件によって、付いているものと付いていないものが違うからです。ただ、「今回は何が付いていないか」は内見のときに必ず確認するようになりました。
いちばん痛いのはガスコンロです(3万円近く)
ダントツで高いのがガスコンロです。備え付けではない物件だと、自分で買うことになります。
しかも厄介なのが、次の家では備え付けかもしれないということ。せっかく3万円出して買っても、次で使えるとは限りません。

照明器具が付いていない部屋があります
照明も同じです。付いていない部屋だと、入居した初日に真っ暗になります。1つ1万円ほどですが、部屋数が多いとその分だけ増えます。
カーテンは、持っているもので回しています
カーテンは1万円ほど。ただし我が家は、これまでのカーテンを捨てずに全部持っていきます。その中から合うものを探して、足りない分だけ買い足す形です。
だから毎回、買うのは1枚か2枚だけ。全部買い替えていたら、この何倍もかかっていたと思います。
収納グッズは、増やさないほうが結局は安い
突っ張り棒や収納ボックスは、ひとつは安くても数が増えると金額がかさみます。しかも次の家では、サイズが合わずに使えないことがあります。
収納グッズを買う前に、物を減らすほうが早い。これが10回以上引っ越して出した答えです。
⑤住宅補助は、住む土地によって変わります
毎月の住宅補助は、今は4万円です。以前は3万円だったので、ここも少し上がりました。
ただし金額は土地によって変わります。査定があって、都会は高く、地方は安くなる仕組みです。
家賃相場が高い場所ほど補助も増えるので、一見よくできた仕組みに見えます。でも実際は補助が増えても、家賃の上がり幅のほうが大きいことがあり、都会への転勤ほど家計は苦しくなりがちです。
自腹を減らすために、我が家がやっていること
1.引っ越し業者は、必ず相見積もりを取る
会社が全額出してくれる場合でも、上限が決まっていることがあります。見積もりが上限を超えれば、超えた分は自腹です。
我が家は毎回、複数の会社から見積もりを取ります。同じ荷物、同じ日程でも、金額はかなり変わります。詳しいやり方はこちらに書きました。
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相見積もりを取るなら
一社ずつ電話するのは大変なので、まとめて依頼できるサービスを使っています。何件も電話がかかってくるのが苦手な方は、電話が来ないタイプを選ぶと気が楽です。
2.そもそも買わずに済ませる
いちばん確実な節約は、買わないことです。買ったものは、次の引っ越しで運ぶ荷物にもなります。
何から手放すかは、こちらにまとめました。
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- 引っ越し代はどこまで出るか(上限はあるか、梱包込みか)
- 立て替えか、会社が直接払ってくれるか(いつ精算されるか)
- 手当は課税されるか(手取りでいくら残るか)
この3つを最初に聞いておくと、予算の見通しがまるで変わります。特に2番目は、聞いておかないと支払いの月に困ります。
転勤が決まってからやることは他にもたくさんあるので、順番はこちらにまとめています。
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転勤の引っ越し費用についてよくある質問
Q.転勤の引っ越し費用は、法律で会社が出すことになっていますか?
A.いいえ。法律で決まっているわけではなく、会社の就業規則によります。だから会社ごとに、ここまで差が出ます。
Q.会社の上限を超えたらどうなりますか?
A.超えた分は自己負担になるのが一般的です。だからこそ、相見積もりで金額を下げておくことが効いてきます。
Q.手当が出るなら、自腹はゼロになりますか?
A.うちは今ほぼゼロですが、税金が引かれるぶん、余裕があるわけではありません。手取りで考えてください。
Q.車はどうするのがいちばん安いですか?
A.運転していける距離なら、自分で運転するのがいちばん安いです。ただし引っ越し当日の疲れは計算に入れておいたほうがいいです。
Q.前もっていくら現金を用意しておけばいいですか?
A.金額は物件によって変わるので一概には言えませんが、立て替えなら、精算されるまでの間ぶんは手元に必要です。物件の初期費用が特に大きいので、そこを先に確認しておくと見通しが立ちます。
まとめ|金額は、会社と時期で変わります
- 昔は1回20万円前後の自腹。今は転勤手当が出て、ほぼゼロに
- ただし税金が引かれるので、満額は残らない
- ほとんどが立て替え。払うタイミングでは現金が必要
- 買い足すのはカーテン1万・ガスコンロ3万近く・照明1万・収納1万以内
- 住宅補助は今は4万円。住む土地によって変わる
いちばんお伝えしたいのは、「数年前の情報は、もう古いかもしれない」ということです。うちも数年で大きく変わりました。
先輩の話やネットの相場ではなく、いま自分の会社がどうなっているかを確認してください。それが結局、いちばん確実な節約になります。

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