「この本棚、次の家に入るのかな」
「引っ越しのたびに、この本を全部詰め直すのか…」
転勤が決まるたびに、そう思っていました。
我が家は夫婦ふたり暮らしで、これまでに10回以上引っ越しています。そして昔は本棚を持っていましたが、いまは持っていません。引っ越しを重ねるうちに、手放しました。
結論から言うと、転勤族に本棚はいらないというのが、10回以上引っ越したいまの正直な気持ちです。
ただ、ひとつだけ先にお伝えさせてください。これは「本を捨てましょう」という記事ではありません。私はいまも本を読みます。読んだら売って、図書館を使って、電子書籍も使う。最近は、家事をしながら「聴く」ことも増えました。本棚を手放しても、読む量は減りませんでした。
この記事では、転勤族にとって本棚のどこがやっかいなのか、手放して何が変わったのか、そして本好きでも困らない方法を、実際の暮らしから正直に書いていきます。
目次
結論:転勤族に本棚はいらない。でも、本は手放さなくていい
本棚は、持っているだけで3回、お金と手間がかかる家具です。
| タイミング | かかるもの |
|---|---|
| 置くとき | 壁一面の面積。しかも次の部屋に入るとは限らない |
| 運ぶとき | 本の重さのぶんだけ、引越し料金が上がる |
| 捨てるとき | 粗大ごみの費用と、回収日を待つ時間 |
これは、我が家がベッドやダイニングテーブル、食器棚を手放したときと、まったく同じ理由でした。
この記事でお伝えすること
- 転勤族にとって、本棚がやっかいな4つの理由
- 手放して、実際に何が変わったか
- 本好きでも困らない4つの方法(電子・図書館・売る・聴く)
- 正直なデメリットと、その対策
- それでも本棚があったほうがいい人
- どうしても置くなら、転勤族向けの選び方3つ
昔は持っていました。引っ越しを重ねるうちに手放しました
最初から本棚なしで暮らしていたわけではありません。我が家にも、ちゃんと本棚がありました。
でも引っ越しのたびに、毎回同じことが起こります。
- 本棚の中身を、全部ダンボールに詰める
- そのダンボールが、とんでもなく重い
- 新しい部屋で、置く場所がなかなか決まらない
- 結局、前の家と同じようには収まらない
本は、何十冊も重なるととにかく重いです。ダンボールへ詰める作業も大変で、荷造りのなかでいちばん腰にくる作業でした。
それを何回か繰り返したところで、ふと思ったんです。「この重い作業、そもそもやらなくていいんじゃないか」と。

転勤族にとって、本棚がやっかいな4つの理由
1.家具のなかで、中身がいちばん重い
本棚は、本体より中身のほうがずっと重いという、めずらしい家具です。ソファやテーブルは、大きくても中身はありません。でも本棚は、棚が埋まっているぶんだけ重くなります。
そして引越し料金は、荷物の量(トラックのサイズ)で決まります。本のダンボールが数箱増えるだけで、料金の区分が変わってしまうこともあります。
2.次の部屋に入るとは限らない
本棚はたいてい背が高くて、壁一面を使う前提の家具です。
ところが賃貸は、部屋ごとに壁の長さも、窓の位置も、コンセントの位置も違います。前の家でぴったりだった本棚が、次の家では「窓にかかる」「ドアの開閉に当たる」ということが、普通に起こります。
入らなかったときに本棚だけ買い直すことになるのが、いちばんもったいないパターンです。
3.背の高い家具は、賃貸だと固定しづらい
賃貸だと、壁にネジを打って固定することができないことがほとんどです。
突っ張り棒タイプの固定具もありますが、天井の強度は部屋によって違いますし、引っ越すたびに固定し直すのも手間です。背の高い家具が寝室にあると、それだけで少し落ち着かない気持ちになります。
4.捨てるときに、いちばん時間がかかる
本棚は粗大ごみです。そして粗大ごみの回収日は、多くの自治体で月に数回しかありません。
転勤の内示から引っ越しまでが短いと、「申し込んだけれど、回収日が引っ越しのあとだった」ということが起こります。組み立て式のものを解体するのも、思っているより力と時間がいります。
手放して、実際に何が変わったか
壁が空いて、部屋がひとまわり広くなった
背の高い家具がなくなると、視線が壁の奥まで抜けるので、同じ広さの部屋がひとまわり広く感じます。テレビ台を置かなくなったときと、まったく同じ感覚でした。
荷造りが、はっきり楽になった
本のダンボールがなくなっただけで、荷造り全体の重さが変わりました。重い箱が減ると、荷造りも荷解きも早く終わります。ここは想像以上でした。
「読んだら手放す」が、自然と習慣になった
置き場所がないので、読み終わったらどうするかを、そのつど決めるようになりました。
一回読んで満足した本は、中古買取へ。気に入っている本だけ手元に残す。この線引きができるようになったのは、本棚を手放してからです。
本を選んで買うようになった
「置く場所がある」と思っていたころは、なんとなく買っていました。いまは本当に読みたいものだけを選ぶようになって、結果的に読書そのものが濃くなった気がしています。
本好きでも困りません。我が家がやっている4つの方法
本棚を手放しても本が読めるのは、4つを組み合わせているからです。どれか1つに絞る必要はありません。
| 方法 | 向いている本 | 転勤族にとってのよさ |
|---|---|---|
| 電子書籍 | 何度も読み返す本・小説 | 何冊増えても荷物が増えない |
| 図書館 | 試しに読みたい本・新刊 | 無料。しかも街に早くなじめる |
| 紙で買って売る | じっくり読みたい本 | 読み終われば手元に残らない |
| 聴く(オーディオブック) | ながらで読みたい本 | 形がないので置き場所も荷物もゼロ |
1.電子書籍:何冊増えても、引っ越しの荷物はゼロ
いちばん大きいのは、何冊買っても引っ越しの荷物が1グラムも増えないことです。
転勤族にとってこれは本当に大きくて、「読みたいけど、また荷物が増えるな」という迷いが、まるごと消えます。夜、部屋を暗くしたまま読めるのも気に入っています。
2.図書館:引っ越したら、まずカードを作ってほしい
これは声を大にして言いたいのですが、転勤族と図書館は相性が抜群です。
- 無料で、しかも返すので荷物が増えない
- 返却期限があるので、積んだままにならない
- その街の広報や地域の情報が置いてあるので、引っ越したてで土地勘がない時期にありがたい
- 座って過ごせる場所があるので、荷解きに疲れたときの逃げ場になる
新しい土地に着いて、まだ知り合いもいなくて、どこに何があるかも分からない時期。図書館のカードを1枚作るだけで、その街に自分の居場所がひとつできます。
手続きは、たいてい身分証明書があればその日のうちに作れます。住所変更の手続きに行くついでに、そのまま寄ってしまうのがおすすめです。
3.紙で買って、読み終わったら売る
やっぱり紙で読みたい本もあります。その場合は、「読み終わったら売る」までをセットにして買うようにしています。
本は場所を取るぶん、たまると一気に重くなります。引っ越し前にまとめて売ってしまうのが、いちばん効率がいいと感じています。
本をまとめて手放すなら
売り方のコツや、フリマアプリとの使い分けはこちらにまとめています。
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4.耳で聴く:家事をしながら、本が読めます
最近いちばん増えたのが、これです。オーディオブックで、本を「聴く」という方法。
家事をしながら聴けるので、とても便利です。洗い物をしている時間も、洗濯物をたたんでいる時間も、そのまま読書の時間になります。手も目もふさがったままでいいというのは、紙の本にも電子書籍にもない良さでした。
そして本棚の話でいうと、この方法がいちばん徹底しています。聴く本には、そもそも形がありません。何冊増えても、置き場所を考える必要がまったくないんです。
- 家事をしながら、移動しながら、荷造りをしながらでも聴ける
- 形がないので、置き場所も引っ越しの荷物もゼロ
- 目が疲れている日でも、読書ができる
- 倍速にすれば、1冊にかける時間を短くできる
転勤族にとっては、引っ越し前後のいちばんバタバタしている時期にこそ効きます。荷造りも荷解きも、手は動かしていても頭はひまなことが多いので。
聴いてみるなら
私が使っているのはaudiobook.jpです。
無料でお試しできるプランが用意されていることが多いので、「自分に合うかどうか」を確かめてから決められます(内容は変わることがあるので、公式サイトで確認してみてください)。
ながら聴きが合うかどうかは、正直やってみないと分かりません。合わなければやめればいいだけなので、気になっているなら一度試してみるのがいちばん早いと思います。
正直に言うと、デメリットもあります
いいことばかり書くのはフェアではないので、実際に感じている不便も書いておきます。
| 気になること | 我が家の対策 |
|---|---|
| 電子書籍は「どこに何が書いてあったか」を思い出しにくい | 読み返す前提の本は、紙で買う |
| 電子書籍は人に貸せない・売れない | 貸したい本・売りたい本は最初から紙で |
| 図書館は人気の本の予約待ちが長い | 急がない本は図書館、いま読みたい本は買う |
| セールでつい買って、読まないまま増える | 電子でも、月に一度は「積んだままの本」を見直す |
| 背表紙を眺める楽しみがなくなる | お気に入りの数冊だけ、見えるところに置く |
| オーディオブックは、聞き流して内容が入らないことがある | ながら聴きは軽めの本、集中したい本は紙か電子で |
最後のものは、正直いちばん惜しかったところです。本棚を眺める時間が好きだった方にとっては、これは実際に失うものだと思います。そこは正直にお伝えしておきます。
それでも、本棚があったほうがいい人
「いらない」と書いてきましたが、全員に当てはまる話ではありません。次のような方は、あったほうが暮らしやすいと思います。
- お子さんがいるご家庭…絵本は背表紙が見えることに意味があります。我が家は夫婦ふたりなので、ここは正直に「書けません」とお伝えしておきます
- 資格の勉強や研究をしている方…同時に何冊も開く使い方は、紙のほうが圧倒的に楽です
- 専門書・技術書を扱う方…電子になっていない本が多い分野があります
- 本を集めること自体が趣味の方…それは減らす対象ではないと思います
- 持ち家の方・転勤の予定がない方…この記事の前提から外れます
どうしても置くなら、転勤族向けの選び方3つ
「やっぱり必要」という場合も、選び方しだいで次の引っ越しがぐっと楽になります。
1.背の高いものより、腰くらいの高さのものを
低い本棚は、どの部屋にも入りやすく、窓やドアを邪魔しません。倒れる心配も減りますし、上に物を置く場所としても使えます。
2.解体して運べるものを選ぶ
同じ組み立て式でも、何度も分解・組み立てができる作りかどうかで耐久性がまったく違います。引っ越しのたびにネジ穴が広がってぐらついてくるものは、数回でだめになります。
3.「本棚でなくなっても使えるもの」を選ぶ
カラーボックスのような汎用的なものは、本棚として使わなくなっても、別の用途に回せます。次の家で本を置く場所がなくても、押し入れの中で使えたりします。
我が家が家具を買うときの基準
基準は3つだけです。毎日使う/どこにでも置ける/次の家でも使える。
本棚は、このうち2つ目と3つ目を満たしにくい家具でした。だから我が家は、買わないほうを選んでいます。
「次の家で使うか分からない」なら、借りるという手もあります
いちばん困るのは、「いまは必要。でも次の家で使うかは分からない」という状態だと思います。
買えば処分費がかかる。買わなければ不便。この2択でずっと悩んでいたのですが、3つ目に「借りる」という選択肢があります。
単身赴任や、赴任期間がはっきりしている転勤なら、期間を決めて借りて、帰るときに返すほうが、買って処分するより結果的に安く済むことがあります。
借りるなら
家具・家電のレンタルなら「かして!どっとこむ」が対応エリアも広く、短期から借りられるので、赴任期間が決まっている方と相性がいいです。
取り扱っている品目は時期によって変わるので、収納家具があるかどうかは公式サイトで確認してみてください。
※我が家は使ったことがありません。ただ、「これは次の家では使わないな」と分かっていた時期に知っていたら、間違いなく借りていました。
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手放すときは、「本」と「本棚」を分けて考える
いざ処分するとなったとき、まとめて考えると動けなくなります。この2つは、出口がまったく別だからです。
| 本 | 本棚 | |
|---|---|---|
| 売れるか | 売れる(まとめて宅配買取が楽) | ほとんど値段がつかない |
| 捨て方 | 資源ごみ(紐でしばる) | 粗大ごみ |
| かかる時間 | 数日 | 回収日待ちで数週間かかることも |
| 動きはじめる時期 | 引っ越しの1か月前 | 内示が出てすぐ |
ポイントは、本棚のほうを先に動かすことです。本は最悪、当日でも紐でしばれば出せます。でも本棚は、回収日を逃すと引っ越し当日まで部屋に残ります。
売るほうは引っ越しの2週間前までと決めておくと、発送や査定待ちで慌てずに済みます。
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よくある質問
Q.本棚を手放したら、本を読まなくなりませんか?
我が家は減りませんでした。むしろ電子書籍と図書館を使うようになって、読む冊数はほとんど変わっていません。減ったのは「買ったまま読んでいない本」のほうでした。
Q.どうしても手放せない本があります
それは残していいと思います。全部を手放す必要はまったくありません。我が家も気に入っている本は残しています。数冊なら、収納ケースや押し入れに十分入ります。本棚が必要になるのは、冊数が増えたときだけです。
Q.引っ越し業者に本棚を引き取ってもらえますか?
引き取り(有料)に対応している業者もありますが、すべての業者ではありません。見積もりのときに「不要な家具の処分もお願いできますか」と聞いておくと確実です。金額は業者によってけっこう差があるので、そこも含めて比べるのがおすすめです。
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Q.本のダンボールは、何冊くらいで詰めればいいですか?
大きい箱に詰めると持ち上がらなくなります。本は小さめの箱に、半分から7割くらいまでにしておくのが安全です。詰めすぎた箱は、底が抜けます。
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まとめ:本棚は手放せます。でも、本は手放さなくて大丈夫
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 本棚は置くとき・運ぶとき・捨てるときの3回、お金と手間がかかる
- 中身が重く、背が高く、次の部屋に入るとは限らない
- 手放しても、電子書籍・図書館・売る・聴くの4つで読む量は減らなかった
- 引っ越したら、まず図書館のカードを作るのがおすすめ
- 子ども・資格勉強・専門書・コレクションなら、あったほうがいい
- 置くなら低い/解体できる/本棚でなくなっても使えるの3つで選ぶ
- 「次の家で使うか分からない」なら、借りるという手もある
- 手放すときは本棚を先に、本はあとから
本棚を手放すのは、本をあきらめることではありませんでした。本の置き場所を、家の中から外に移しただけです。
引っ越しのたびに、あの重いダンボールを詰めなくてよくなった。それだけでも、私にとっては十分に価値がありました。
我が家が同じように手放したものは、ほかにもあります。よかったらあわせてどうぞ。
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